2009年08月24日
見守る眼差し
私は早退するために玄関口へ向かっていた。
目眩がひどいので目を閉じたまま、ふらふらと廊下を歩いていると、甲高い声の誰かが近づいてきて、手を引いてあげると言った。
親切心からなのはわかったけれど、咄嗟に要らないと思った。でもお断りするために口を利く余裕もなかった。
どう意思表示したらよいのかわからないでいるうちに、さっさと身体を取られて歩き出されてしまった。
恐らく取り立てて速いペースではないはずなのに、吐き気と目眩と頭痛が倍増しに酷くなっていく。足が縺れる、限界近いかも…。
「大丈夫だから、1人で歩かせてあげてください。」
後ろから養護教諭のアルトの声が響いた。
(助かった…。)
ぴたりと、私の身体を引っ張っていた人の歩が止まった。
***
追い付いた先生は、2人だけになった後で、《歩くスピード、合わせると速すぎてしんどいでしょう?》と言われた。心底同意したため、揺らすと痛む頭で頷いた。
先生は私の荷物を持ったまま、私には触れずに歩調を合わせて、横で見守ってくださった。
廊下は残り10mもなかった。
目眩がひどいので目を閉じたまま、ふらふらと廊下を歩いていると、甲高い声の誰かが近づいてきて、手を引いてあげると言った。
親切心からなのはわかったけれど、咄嗟に要らないと思った。でもお断りするために口を利く余裕もなかった。
どう意思表示したらよいのかわからないでいるうちに、さっさと身体を取られて歩き出されてしまった。
恐らく取り立てて速いペースではないはずなのに、吐き気と目眩と頭痛が倍増しに酷くなっていく。足が縺れる、限界近いかも…。
「大丈夫だから、1人で歩かせてあげてください。」
後ろから養護教諭のアルトの声が響いた。
(助かった…。)
ぴたりと、私の身体を引っ張っていた人の歩が止まった。
***
追い付いた先生は、2人だけになった後で、《歩くスピード、合わせると速すぎてしんどいでしょう?》と言われた。心底同意したため、揺らすと痛む頭で頷いた。
先生は私の荷物を持ったまま、私には触れずに歩調を合わせて、横で見守ってくださった。
廊下は残り10mもなかった。
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